北海道では観光地として有名な洞爺湖のそばに有珠という活火山がある。
2000年に噴火したことで全国的にも有名だが、過去1977年にも噴火して
おり、20年周期で噴火するというやくざな山である。
周辺住民も噴火するだろうなという意識で暮らしているから、先の噴火
では人的被害ゼロだった。避難前提の住民意識と行政、各研究機関の連
携がうまく作用したのだろう。
有名な洞爺湖温泉街は、虻田町に属する。洞爺は有名だが虻田は無名だ。
このさい洞爺村と合併して洞爺町とかにしたほうが観光客には混乱が少
なくすみそうだが、そんなことは大きなお世話ですね。
虻田には母方の祖父母が住んでいたので、小学生の頃は週末や夏休みに
遊びに行くのが楽しみだった。札幌から車で２時間、番地が変わるだけ
で世界が変貌する小学生にとっては大旅行だ。札幌(の北区新琴似)に比
べて生態系が豊かだから、見たこともない虫がごっちゃりいる。地元の子供
とすぐに仲良くなって一緒に遊んだりもした。
早起きしてラジオ体操に行ってハンコももらった。いやな宿題もした。
(あ、そうそう、札幌市の小学生は6年生の修学旅行で必ず洞爺湖温泉に
泊まる。今回小学校時代に泊まった、当時からさびれていたホテルをみ
つけ、当時好きだった女の子を思い出した。もう結婚してるだろうな。)
小学校の時はよく遊びに行ったものだが、僕が中学生になる頃、祖父母
と札幌で同居することになった。それからは1年に1回ぐらい、祖父が有
する農園に遊びに行く以外は虻田町へめっきり行かなくなった。
そうこうするうちに、大学に入って東京に行くことになって、いよいよ
脳内登場回数は0に近くなった。ゴキブリや熱帯夜の方が大きな問題だ
ったからだ。
そんなとき噴火が起きた。＞つづく
