雨の台北から雨の九份へ

2日目の宿は、日本人旅行者が必ず行くという、台北の隣、新北市にある九份にした。厳密にいうと、九份から少し離れた瑞芳というところ。
九份はかつて鉱山として栄え、トニーレオンが出演した「非情城市」のロケ地として有名だ。ジブリの「千と千尋の神隠し」のロケ地とのウワサもある。鉱山好きな僕にとってはたまらない場所だ。

九份の説明は、「ANA Travel & Life」が詳しい。https://www.ana.co.jp/travelandlife/feature/original/vol20/

千と千尋の神隠し」の雰囲気を味わうなら夕方から夜、ということで安直に、現地で宿、という発想だったのだが、そこで想定外の事態が起きることになる。

 

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角度がきついが、上から萬年商業大楼(ビル)と書かれている

萬年商業ビル

中華民国総統府を出た後、西門駅周辺にある、台北の“中野ブロードウェイ”と呼ばれる「萬年商業大樓」へ向かう。

お世話になった方にプレゼントしたい、アウトビアンキA112アバルトのミニカーを探すためだ。とはいえ降り続く雨で気温は上がらず、我々の体温と精力が奪われていくので、まずは西門駅東側の甘味処で暖をとることにした。

萬年商業ビルは、駅から西へ歩いて3分ほど。40年前の地方のデパート的雑居ビル風で、1階には本物なのか偽物なのか不明なブランドバッグや時計が置いてある。奥のトイレはセンサー式の小便器が設置された常識的なものだったが、手洗い場で店のおじさんが入れ歯を洗っているのに軽くショックを覚える。

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一瞬ここはどこの国だっけと思わせる萬年商業ビル内部

4階までエスカレーターで上ると、昔、札幌市北区新琴似にあった、子ども嫌いの模型店を彷彿とさせる模型店やミニカーショップが並んでいた。バンダイのアンテナショップまである。ドン・キホーテ顔負け、天井までプラモデルが積まれた圧縮陳列の森をながめると、そこには懐かしい絶版品がちらほら確認できた。でも手ごろな金額ではないうえに、持って帰るのが面倒くさいので、見るだけで満足することにする。

まちなかの一品20元などという信じられない外食の安さに比べると、輸入品など台湾オリジナルではないものは、原価が決まっているためそれほど安くない、というか日本で買うよりむしろ高かったりする。ミニカー専門店も値段が高く種類がなく、なにより目的の商品がないので、結局手ぶらでビルを後にした。


誠品書店

続いて、代官山から始まって日本各地に増殖しているオシャレ「蔦屋書店」のパクリ先、もといモデルとされる「誠品書店」へ。ロケーションはなんと、あの魔窟、萬年商業ビルの隣だ。このごった煮感が台北の魅力でもある。これまで代官山、函館、京都、梅田、江別の各蔦屋書店を訪ねてきた我々にとって、そのパクリ先は総本山といえるのだ。

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蔦屋書店西門店ではなく誠品書店西門店

そしていよいよ、誠品生活というこれまたオシャレデパートの中にある「誠品書店」にたどり着くと、そこはまるで「蔦屋書店」のようだった。以上。

いざ九份

3日目の宿として予約していた、台北駅の北側にあるflip flop hostel gardenは、チェックインしていなくても一日100元で荷物を預かってくれる。僕らはホステルに邪魔なスーツケースを預け台北駅へ向かった。