Gogo Yubari

tranthought2007-03-01


かつてこの町には日本でも有数の炭鉱がありました。夕張炭田の中心地、「炭都」夕張。


九州と並んで石炭の一大産地だった北海道。政府のエネルギー政策転換で石油にその座を
追われるまで、石炭は日本のエネルギーを支えました。だから、今日の経済成長は石炭抜
きには語れません。危険な坑内作業の中、ガス突出や炭塵爆発、崩落で多くの人々が犠牲
になりました。


今回の写真は、そうした夕張で生きた人々の記録を聞きとり、一冊の本にして自費出版
た方と、その本に登場する東京大空襲を生き延び、夕張で1000人以上の赤ちゃんを取
り上げたスーパー助産士に登場していただきました。お2人ともインテリで、何を質問し
てもスパっと答えが返ってきます。


大正6年(1917年)生まれの助産士さんは「何だか、きな臭い世の中になってきたね」
と開口一番におっしゃいました。まるで戦争前の静けさのようだと。


国旗国家法制定、個人情報保護法制定、教育基本法改悪、防衛庁防衛省昇格、そして来
憲法改悪。確実に日本は、思想や表現の自由が抑圧され、戦争のしやすい国になりつつ
あります。行く先はジョージ・オーウェル「1984」のオセアニアでしょうか。


「もうわたしには時間が限られているから、聞くなら今のうちだよ」との言葉に、「これ
からもちょくちょく貴重なお話を伺いに来ますので、あと100年ぐらいよろしくお願い
します」と返して、その場を後にしました。


P.S.
どうやら、書く仕事に就けそうです。