台湾と民主主義

【台湾旅行2日目】

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台北はきょうも雨

台湾初の朝食

台北2日目。チョーホテルのレセプションカウンター2階にあるフリースペースには、食べ放題のカップラーメンが積まれている。でもここは台湾。おいしく安い料理がそこら中にあるわけで、食べない手はない。

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カップラーメン食べ放題、ジュース飲み放題のチョーホテル

午前8時を過ぎたので、チョーホテルのスタッフに教えてもらった朝食屋、都來也豆漿店(108台北市萬華區內江街77號)へ行く。ホテルから歩いて3分ほど。店先にはすでに4人ほど先客がいて、店の人と台湾語で怒鳴りあっている(ように感じた)ので、注文できるのだろうかと少し不安になった。ここが観光客向けの店、というわけではないことは、素っ気ない店構えと、一切英語が書かれていないメニューと、一切英語を話さない店員を見れば何となく分かる。でもその方がいい。豆漿(ドウジャン)は豆乳のことで、よくわからないまま鹹豆漿(シェントウジャン)(大20元)、と蛋餅(タンビン・20元)を注文し、店先のテーブルで食べることにした。鹹豆漿は塩味がきいていて、蛋餅は薄焼き卵の入ったクレープのようなもので、どれもおいしく、そしてものすごく安い。奥様は、職人気質で眉間にしわを寄せた店のおじさんに、ハオツーと語り掛け、笑顔にさせたと喜んでいた。僕たちは台湾料理の奥深さを感じつつ、中華民国総統府へ向かった。

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スクーターがとにかく多い台北市

台湾総統府に民主主義の学校をみた

チョーホテルから10分ほど東へ歩くと、中華民国総統府にたどり着く。https://english.president.gov.tw/Default.aspx

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ここは1919年に大日本帝国台湾総督府として建設し、現在は国家元首蔡英文総統が執務する場になっている。総統府周辺はマシンガンを持った憲兵が警備していて、非常に物々しい。日本の首相官邸は近づきたくもないので、どんな感じか知りようもないけれど、どこの国も似たようなものだろうか。見学者入り口ではパスポートの提示が求められ、持ち物検査ではペットボトルに入ったミルクティーを一口飲むよう指示された。僕らが日本人だとわかると、日本語を話せるボランティアガイドのおじいさんが案内してくれた。

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台湾総統府の歴史を日本語でご案内

内部は観光客が見学できるように常設展が開かれている。総統が変わるたびに常設展も変わるそうで、今の展示は2016年5月の政権交代でリニューアルされたという若手デザイナーの手による。テーマはPower to the People(人民に力を)。蔡英文政権の姿勢がはっきりメッセージとして伝わってくる。この国で民主主義は与えられたものではなく、勝ち取ったものだから、国民にとってそのありがたみが違うのだろう。

https://www.excite.co.jp/news/article/Jpcna_CNA_20160907_201609070012/

民主主義国家では本来、政府は最高権力者の国民に奉仕するもの。民主主義のイロハのイのようなもので、当たり前のことなのだけれど、どこぞの国では行政府の長が深刻な勘違いをしていたりする。総統府が傘になって雨から国民を守る絵なんて、見ても意味が理解できないのではないだろうか。

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平日開かれる常設展は1階のみの解放だが、月に一度全館開放日があるそうなので、次回訪れたときには行ってみたい。